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関係人口とワーケーション①

先週、香川県中小企業家同友会小豆島支部の例会にファシリテーターとして参加させていただきました。
プログラムは、
1、知識ゼロから始めるデジマ入門(株式会社シンクロCEO 西井敏恭さん)
2、対談「小豆島活性につながるワーケーションについて」(西井さん+土庄町岡野町長)
3、グループ討論
という構成で進められ、私は第2部の対談で進行役として召喚された次第です。
お声がけいただいたのは、NPO法人トティエの前に働いていた会社の社長。私が辞めたあともいろいろと繋がりがあり、今回も声を掛けていただいたこの関係性がとても嬉しく思っています。

イベントの内容については、支部長・川崎さんのブログをご覧ください。
「デジマ入門と小豆島活性につながるワーケーション」例会開催しました!
https://ameblo.jp/tad55kawasaki/entry-12724353814.html

さて、なぜ専門外の”ワーケーション”に呼ばれたのか。
直接理由は聞いていないですが、おそらく昨年香川大学・香川県と共同でワーケーションに関する実証実験を行っており、その企画および現地コーディネーターということからではないかと思います。この実証実験については、遡ること2年前ぐらいにはなりますが、県の地域活力推進課と当方とで”関係人口”に関しての議論をする中で、都市部と地方との繋がる形の一つとして”ワーケーション”の着想に発展、そして香川大学も関わり、昨年の事業実施と至ったわけです。

途中に入ってきた耳慣れない”関係人口”について、「何ぞや」と思っている方もいると思いますので補足します。
地方創生界隈では”関係人口”(交流人口と定住人口(移住)の狭間の層)をどう増やしていきましょうか、という議論が2017年頃から行われています。ムーブメント化したのは2017年に発行された田中輝美さんの「関係人口をつくる」やソトコトでの特集が大きいですが、源流となる視点としては、
①最初の認知・接点から一足飛びに移住とはいかないよね
②定住人口だけが地域活性の要因ではないよね
③移住できないけど地域と関わりたい層がいるよね
ということからです。
私たちも”関係人口”という言葉が一般化する前から、概念としては非常に重要だという認識がありました。
小豆エリアへの移住の起点は、ほぼ100%と言っていいぐらい「観光」です。
来島体験の中で[自然と都市的環境の調和を感じ][人と接する]ことが、再来島を誘引する要素となります。2回目の来島は、観光スポットを周る周遊型観光ではなくなるわけです。そういった方々が来島の度に知り合いとの関係性が濃くなり、もしくは島の知人が増えた結果、所謂”関係人口”となり、引き続き小豆島・豊島のファンになっていただいたり、その一部が移住するというステップがもともとありました。
また、2013年の瀬戸内国際芸術祭・小豆島醤の郷+坂手港プロジェクトのテーマは「観光から関係へ」。従来のハードありき、施設周遊型の閉じた観光ではなく、普通の島民も関われる開かれた観光にしていこう、というメッセージを持った取り組みでした。2013年の瀬戸内国際芸術祭は小豆島にとって転機となり、熱も冷めやらない事態から翌年小豆島町独自でアート小豆島というものが継続して行われたほどでした。これによって生まれたのが”関係人口”=島民と都市部の人との有機的なつながりであり、そこから生み出される可能性であり、そしてNPO法人トティエもその流れで設立されることになりました。
”関係人口”というと難しくなりますが、言ってしまえば島外との人的繋がりで、島でいうと毎年来られるお遍路さんやオリーブが好きで継続して来島される方、毎年会いに来る友人、ということですね。そういった”ファン”になる人を施策としてどうやって増やしていこうか、というのが行政視点からの関係人口です。

”関係人口”自体の説明が長くなりましたが、2年前まではそれをアクションとして起こそうとは全く思いませんでした。だって、小豆地域は年間100万人以上もの来島者があり、認知の高まりと比例してIUターンも増えていましたので、そこにパワーをかける必要性が感じられなかったわけなんです。その考えを一転させてくれたのが、”コロナ”の出現でした。島の基幹産業、各産業の活性化の起点とも言える観光が大打撃を受け、来島者も約5割まで下がってしまった。移住分野においても今までのやり方が通用しなくなってしまった。しかし、本質的な部分をしっかり見ないといけないよ、という気付きを得た側面もあります。そういったことで、”関係人口”が持つ本質的な部分について深く勉強したい、withコロナ時代のつながりのあり方について広い視野で考えたい、と思うようになりました。

そういった経緯で昨年のワーケーション実証実験の企画へと繋がっていくわけですが、前段を書いていたらちょっと長くなってきたので、続きはまた改めてということにしたいと思います。

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