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Totie's ノート

withコロナ

離島でコロナとどう向き合うか

うえむらシェアハウス

ついに、島でも感染者が出た。
このニュースは、島中を一気に駆け巡りました。今月に入ってからは、島内の緊張感が和らいでいましたが、一昨日の感染報道以降、島民の方はもちろん、店舗・施設等の事業者さん達の警戒感の高まりを強く感じます。

私としても、いつかは出るよな‥とは思っていましたが、実際に発生すると一気に「自分ゴト」になり、考え方や実際の対応を改めて見直しています。

全国的および都道府県単位等の感染流行という観点では、感染者数だけを指標とするのではなく、重傷者数と感染由来で亡くなる方が増えているのか、ということを基に判断してほしいなぁ、と個人としては思っていました。極端に言うと、1万人感染していても、死者数や後遺症が残る重症者がいなければ問題ないわけなので、単なる「感染者数」や「感染者の発生」だけで考えてしまうと、感染流行を止めるということや医療リソースの確保という観点において、ちょっとズレてるんだろうなとは思います。また、無症状感染という厄介な特徴があり、いつ誰が感染するか分からない状況の中、差別が助長されるということも問題だと考えていました。ただ、これは広域での感染拡大に対しての一考え方です。

ただし、小豆島、豊島という局所的にみた場合‥言い換えると感染症流行に対して脆弱な離島の一島民としての考えは、前述とは真逆で「感染」に対して非常に気をつけないといけないと考えてます。
詳しくは後述しますが、感染は「自分だけの問題ではなく、島で親身に接してくれている方への命の危険に繋がる可能性がある」からです。

既にご存知のとおり、新型コロナウイルスは高齢者や疾患をお持ちの方のリスクが高いということが分かっています。
小豆地域(小豆島・豊島)の高齢化率は40%を超え、うち後期高齢者の方は25%にもなります。人数にすると10,000人を超える方々が感染すると重症化するリスクが高い方々ということになります。
また、離島であるという環境ということも、考える判断要素として重要です。感染拡大した場合の医療体制が十分ではなく、公表されている病床は4床となっており、都市部のような軽症感染者収容のためのリソースもありませんので(公表されていないだけかもしれないですが)、一旦感染が広がると対応病床が埋まり、総合病院の外来や入院といった通常の患者さんへの対応も制限がかかってくる可能性があります。
加えて、小豆島・豊島は「観光の島」です。二十四の瞳の公開以降、観光を中心に来島者が増え、裾野が広い観光業の恩恵を受けて島が発展してきました。こういう背景から、観光客が徐々に戻ってくること自体は喜ばしいのですが、それに比例して感染のリスクも当然高まります。他の過疎地・離島観光地と同様、「どうすればええねん」といった状況、さらには置かれている立場によって見解も異なりますので、狭い社会の中で「島として」「地域として」明確な方針を出すのは違う争いを生むことにも繋がります。と、なかなか出口も見出しにくいところですが、結局のところ判断基準も示されない中では、それぞれが人としてどう考え、どう行動するか、しかないのです。

ただ、間違いなく言える大事な判断軸は、人の命を守ることです。
現在の後期高齢者の方々は、いわゆる団塊の世代であり、日本の高度成長期を支えてきた方々でもあります。その方々がいなければ、現在の島もないわけですから、その方々の生命を守るということを大前提として、どう観光を戻していくか、来島者への予防対策を促していくか、ということになっていくのかなと思います。

運営しているうえむらシェアハウス

当NPOでは、かつてお遍路宿と呼ばれていた廃業された旅館をリノベーションをし、2017年から「うえむらシェアハウス」として運営をしています。
もともとの大家さんも同じ建物内の別区画で暮らしており、玄関は共通ですので、よくお話もしています。
コロナ前は、そういったなにげない交流がシェアハウスの”売り”でもあったわけですが、現状は一変しました。大家さんはご高齢ですので、シェアハウスをやっていることで万が一のことになる可能性もゼロではないということから、意識的に距離を取っています。(加えて、今まで以上に館内衛生を入念にし、入居者への周知も強化していかないとなりません)。

東京で暮らしていたときは、マンション・アパートに住み、住む地域の方とはほぼ接点も無く‥という都会だと一般的な生活を送っていましたが、小豆島に来てからは、それも一変。仕事上もですが、仕事以外でもご年配の方々と接する機会がとても多くなりました。全体の知り合いの中でもご高齢の人は半分を超え、いろいろとお世話になっている方ばかりです。そのような環境にいると、単純に「お世話になっている人に、感染させて辛い思いをさせられないよね」としか思えないので、であれば感染しないように気をつけよう、ということに行き着きます。
とはいえ、完全に防ぐ手立ても無いので、難しいところもありますが。

しばらくは、コロナ話題が多くなりそうですが、この期間にしか感じられないこともあると思うので、自分メモとしても残していければと思っています。

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